アルミ鍋は体に悪いという話を聞いたことありませんか?
アルミニウムが体に蓄積し、それがアルツハイマーの原因になるといった体に良くない影響を与えるという話もありましたが、実際はどうなのでしょうか?
日常的にアルミ鍋を使っているならちょっと怖い話ですよね。
結論からいうと、アルミ鍋はたしかに料理中に微量のアルミニウムが出ていますが、体に悪影響を与える可能性はほぼありません。
ではなぜアルミ鍋は体に悪いといううわさが出たのでしょうか?そして果たして本当にアルミ鍋は危険ではないのか?を解説します。
アルミ鍋は体に悪い?
アルミ鍋で料理をするとたしかに微量のアルミニウムが溶けだすことはさまざまな実験で分かっています。
これはアルミ鍋に限らず、鉄鍋なら鉄が、ステンレス製鍋ならニッケルの成分がごくわずかではありますが、お鍋から溶け出し、それを私たちが食べて体内に入ってくることになります。
しかし、この溶けだす量はごくわずかなため、体に良くない影響を与えるということはありませんので、あんしんしてくださいね。
アルミ鍋からでなくてもアルミニウムを含んでいる食品は身近にあり、その食材からもアルミニウムを取り込んでいます。
例えば、飲料水やベーキングパウダーを使っているお菓子(ホットケーキミックス、菓子パン、ばんじゅうなど)、イカやタコ、海藻類、胃薬などです。
また体内にアルミニウムが入っても99%は吸収されずに体外に排出されます。
体内にもアルミニウムが存在していると言われ、おもに肺や骨などにあります。しかし、アルミニウムが体内でどんな働きをしているのかはわかっていません。
アルミ鍋でアルツハイマーになる?
70年代にアルミニウムが原因でアルツハイマーを引き起こしたとされる話がありました。
また水道水や飲み水にアルミニウムが多く含まれている地域ではアルツハイマー病を発症している割合が高いということもありました。
しかしアルツハイマー病の発症はさまざまな原因があり、研究結果ではグレーゾーンとされています。
ただし、アメリカではアルミニウム製の調理器具が人体に危険であるとして、アルミニウム製の調理器具は販売規制が行われています。
日本ではアルミニウム製の調理器具の規制はありませんが、赤ちゃんや妊娠中の方、成長期のお子さんには悪影響を及ぼす可能性があります。
ラットによる投与実験で、アルミニウムを多量に投与したとき腎臓や膀胱に悪影響がでたり、握力定価などが見られたとされています。
ですので、離乳食つくりや妊娠中の料理にはアルミ製調理器具は使わないようにしたほうがいいかもしれません。
離乳食づくりにはサイズの小さいホーロー鍋がおすすめです。
表面はガラス製なので扱いに注意が必要ですが、熱が伝わりやすく、冷めにくいので短時間でサッとつくることができます。焦げ付いてしまっても、水に酢を混ぜて加熱すると簡単にとることができますよ。
アルミ鍋の変色予防とお手入れ
アルミ鍋は使っているとだんだんと黒ずんだり変色したりします。
この黒ずみや変色を防ぐためには使い始めのお手入れがあります。
また黒ずんでしまったときのお手入れ方法をご紹介します。
アルミ鍋の使い始めのお手入れ
アルミ鍋を使う前に酸化被膜というのを作ります。アルミニウムの耐食性を高めるための膜で、これをつくるとアルミ鍋の底が黒ずみにくくなります。
やり方は、お米のとぎ汁か水に野菜くずをいれ沸騰させるだけ。
使い始めの前にこれをやってくださいね。
アルミ鍋黒ずみ・焦げ落としのお手入れ
酸化被膜を作ってもつかっていくうちにだんだん黒ずんできます。黒ずみを消す方法は、
- レモンなどのかっきつ類を輪切りにして切り口を黒変色部分をこする
- 鍋に水とリンゴの皮を入れて煮立たせる
- クレンザーなどでこする
レモンなどもリンゴと同じように水で煮立たせるのでも効果があります。
こするときはスチール製のたわしなどは傷がついてしまい、それが腐食や劣化の原因にもなるのでやめましょう。
よく鍋の焦げを落とすには重曹を使うことが多いですが、アルミ鍋には逆効果。酸化被膜が重曹ではがれてしまい、黒ずみの原因になってしまうのでやめましょう。
まとめ
いつも使っている調理器具が体に悪い影響を与えているなんて怖いですよね。
アルミ鍋からはたしかにアルミニウムが溶けだしていますが、人体によくないという報告はないので、いつもどおり使っても問題ないです。
しかし念のため、赤ちゃんや成長期のお子さんがいるご家庭はアルミ鍋は控えたほうがいいかもしれませんね。